動物に関わる仕事を目指しているお子様をお持ちの保護者の方へ、気になる情報を詳しく解説します。

動物に関わる仕事を目指しているお子様をお持ちの保護者の方へ

動物と関わって自分も成長できる

動物と関わる仕事は、心癒されるやりがいのある仕事です。 自分のことのように動物のことを思い、努力して良い状態へ進めるように努めるため、自身の成長にもなるでしょう。 また動物と接するうちに、動物にとって良い生活を模索するようになります。 これは人間と動物の両方に良い結果をもたらします。 例を挙げると、北海道の「旭山動物園」では「行動展示」といって動物の生態や能力を、自然に誘発させて入園者に見せられるようにしました。 キッカケは動物飼育員が動物の檻の前で、動物について入園者に説明をしていたことから発展して、 「動物の自然な習性を入園者に見て貰うと、楽しんで貰えるのでは?」と思いついたことが始まりでした。 それまでは赤字で入園者数も奮わなかった旭山動物園が、行動展示により日本でも一、二を競うほどの入園者数を誇るようになったのは、一動物飼育員のアイデアだったのです。 動物園の入園者数を増やすのは、 「珍しい動物を展示しなければ難しい」という固定観念がひっくり返った瞬間でした。 動き回る動物が自然な行動をとれるように動物舎を設計して、「展示係」として自然のままの姿を見せることに力をそそいだそうです。 「飼育員が気付いた自然な行動」と聞いても、どのような行動かよくわかりませんね。 具体的には動物が生きていく上で必要な目的を果たす時の行動のことで、食べたり眠ったり仲間とじゃれ合ったりすることを指しています。 普通に動物園に行けば見られる行動だと思ってしまいますが、今までの動物園では食べること、眠ること、遊びの時間が保育園のように管理されていたのです。 野生動物は好きなときに食べて好きなときに眠ります。 動物園で暮らしている生き物は入園者に合わせて行動していたのを、野生のように戻すことで自然な姿を見て貰えるようになりました。 その「行動展示」がなぜ入園者に受け入れられて人気を呼んだのでしょうか? 今までは動物園に行って動物を見ても、 「入園者のために見せ物になっている」という人間側に合わせた展示方法で、生き生きとした動物本来の姿を見ることが出来ませんでした。 ところが「行動展示」を行うようになって、動物本来の習性を垣間見ることが出来て、 「動物が本来の姿で暮らしているところを見ている」という感覚を持てるようになったので、動物に対する罪悪感が減ってきたのです。 この「行動展示」による動物主体への流れが広がって、動物の習性を理解しようとする動きが広がっているのは、とても喜ばしいことです。 このように動物を取り巻く環境は変わっており、その仕事に携わる人たちの意識も高みを目指しています。